ゲームはフィードバック、または、ハキハキした人はなぜ感じがいいのか
こんにちは、渋谷でゲームデザイナーをやっているAKIです。
突然ですが、なぞなぞです。
ゲームとそれ以外のエンタメの違い、とは何でしょうか?
それ以外のエンタメ、例えば漫画や小説、映画にドラマ・アニメ、音楽などを思い浮かべていただけますと幸いです。
ぜひ、考えてみてください・・・
・・・はい、ではそこまで!
ちゃんと考えましたか?笑
今回のなぞなぞの答えは、
「リアクションがあるのがゲーム、ないのが他のエンタメ」
です! 記事タイトルから察した人もいそうですね?
ゲームを作ろうとしたことがある人は「わかる」、
またある人にとっては「リアクションって、具体的に何?」という状況ではないでしょうか。
これから順を追って、説明いたします。
リアクションとは、言い換えれば「お返事」のことです。
例として渋谷で働く2人の会話を見てみましょう。
Aさん:「今日渋谷でミニスカポリスのコスプレしてる人いたわ~。ハロウィンもすっかりコスプレイベントだね」
Bさん:「いつも思うけど、ハロウィンとミニスカポリス関係ないよね」
これはごく普通の会話ですよね。
このAさんの発言に対する、Bさんの返事こそリアクションなのです。
2人が会話していたら相手がちゃんと返事をしてくれること。相手や、その人の気分などによって返事が違うこと。
当たり前のようですが、人間が気持ちよくすごすためにとても大切なことです。
実はこれはゲームの構造と同じです!
(※ 本質的には目的とルールが必要なのですが、それはまた別の機会で)
ジャンプアクションゲームで、ボタンを押したらキャラクターがジャンプするのは当たり前ですよね。
一方、漫画も小説もアニメも映画も音楽も、基本的にはクリエイターが制作したコンテンツを最初から順序よく味わうもので、自分が筋書きを変えることはできません。
つまり、自分がコンテンツに何かをすることは、基本的にはないわけです。
この、自分がやったことで相手(ゲーム)の反応が変わることがとっても大事なのです。
先ほどの渋谷で働く2人の会話でも、Aさんの発言がちょっと変わると、
Aさん:「今日渋谷でミニスカポリスのコスプレしてる人いたわ~。若い子って元気だよね」
Bさん:「もう外でコスプレするのつらいよね。10月結構寒いし」
などと、Bさんのリアクションも変わります!
会話の中でも、交渉(=ネゴシエーション)はゲーム、という表現もありますね。
爆弾魔が人質をとって立てこもったときに、警察官が爆弾魔に人質を解放するよう交渉する、とか。
これも、警察官の発言や態度によって爆弾魔のリアクションが変わることが前提になっています。
(※ 話が脱線しますが、相手の発言を無視して自分の言いたいことを言い続ける人もいますが、これで気持ちいい会話にするのは相当テクニックが必要です)
ちなみに、「ちゃんとリアクションをしてくれること」も人間が気持ちよく生活するためにとても大事です。
先ほどのAさんとBさんの会話でも、Bさんが反応しなかったらAさんはさぞ機嫌が悪くなることでしょう・・・
Bさんがテンポよく返事をしてくれる人だからこそ、Aさんともうまくいっているのかもしれませんね。
ゲームも同じです。
最近は通信をするゲームも多いですが、通信が長かったり(待たされたり)、ボタンを押してキャラクターが反応しないと、いらいらしてしまいますね。
スマホで文字を入力するときですら、自分の打った文字が即座に画面に反映されていくわけで。こういうリアクションは人間が気持ちよく生活するために大変重要です。
ぜひ、身の回りのリアクション、探してみてください!
今日はこんなところで。
また次回の記事でお会いしましょう!
AKI