ゲームはテンポ!
こんにちは、渋谷でゲームデザイナーをやっているAKIです。
渋谷ヒカリエではシアターオーブという劇場があり、ミュージカルの公演をやっております! いまの演目は「天使にラブソングを」というめちゃくちゃ有名なブロードウェイミュージカル。
先日予約もなしにシアターオーブに行ったところ、当日立見席が5,000円。
公演時間は2時間越え、立見はつらい......ということで見送りました。
実は劇団四季の「アラジン」も気になっていつつも行けていないので、2017年中に1回はミュージカルを見に行きたいものです!
さて、今日は「ゲームはテンポ!」という話。
前回の「ゲームは手触り!」から引き続きまして、どういう体験が気持ちよいのか? ということを掘り下げてみます!
「テンポ」は、「間」や「タイミング」と近い概念ですね。
漫才でも「間」が大事、映画やドラマ、漫画も「テンポがいい」というとほめ言葉ですね。
「間が悪い」「会話のテンポが悪い」と言われると、ちょっと嬉しくない。
「テンポ」はすごく使いやすい言葉なので、意味するところも広いのですが、間違いなくエンタメの基礎を作る概念です。
今回のブログでは、前回も説明に使ったジャンプアクションゲームを例に。
非常にわかりやすいので、スーパーマリオブラザーズを考えてみましょう。
テンポが大事、ということを説明するために「こんなジャンプアクションゲームは嫌だ」という例を出してみたいと思います。
道がずっと平坦で、何の障害もなくゴールにたどり着くマリオ。
これは嫌ですね。当然、楽しい体験は少なさそうです。笑
では、道平坦マリオの道中に、コインがまっすぐゴールまで並んでいたら?
さっきよりも楽しそう。
チャリンチャリン、とコインをとっていくのが気持ちよさそうですね。
ただこれも、ずっとコインが並んでいるだけだと飽きちゃいそうです。
では、道平坦マリオの道中に、「まっすぐ横に走っていれば取れるコイン」と「ジャンプしたら取れるコイン」が並んでいたら?
もっと楽しそうですね。
走ってジャンプして、コインをひとつも取りこぼさずにゴールする遊びが生まれました!
ではさらに、「スタート地点付近にはコインがないけど、ゴールに近づくほどコインがどんどん増えてくるステージ」を想像してみてください。
はじめはタタタ、と走っているだけ。
でもそのうちコインがチャリン、チャリンと少しずつ出てきて。
最後には走って、ジャンプしてるだけでコインがチャリチャリチャリチャリ、とたくさんとれる!
前半の静かな部分と後半のたくさんコインがとれる賑やかな部分でテンポのギャップが生まれ、非常に楽しそうです。
ここでは「コインをとる頻度」「アクションの内容」に注目して説明しましたが、もう少し抽象化してまとめてみましょう。
・アイテム獲得など、いいことが起こるテンポ感
・コイン獲得、スター獲得など、「ちょっといいもの」から「めちゃくちゃいいもの」が取れるタイミングのテンポ感
・敵に襲われるなど、悪いことが起こるテンポ感
・クリボー、パタパタなど、「弱い敵」から「強い敵」が現れるタイミングのテンポ感
・ダッシュ、ジャンプなど、プレイヤーさんの操作の種類が切り替わるテンポ感
・走るだけのダッシュに比べ、着地点を考える必要のあるジャンプなど、操作の難しさが切り替わるテンポ感
以上のように、「いいこと(報酬)」「悪いこと(障害)」「必要な操作」の頻度、そしてそれぞれの「深さ」が組み合わさって、テンポができています。
余談ですが、ここは説明のため、非常に単純化したゲームを考えていました。
実際、現代のゲームは、アイテム獲得をして、そのあと街でアイテムや装備を強化して、また冒険に出て強い敵を倒して・・・など、やることが増えています。
やることが増えると、増えた分だけより「大きなテンポ感」を気にする必要が出てきます。
「体験のテンポ感」、非常に重要です。
また折をみて、よりわかりやすく、より深い内容をブログにしたいテーマです!
あなたがお好きなあのゲーム、どんな「テンポ」が気持ちよいでしょう?
たまにはそんな視点からゲームを見るのも、楽しそうですね!
今日はこんなところで。
また次回の記事でお会いしましょう!
AKI