3年目ゲームデザイナー AKIのブログ

ゲームデザイナー3年目が、エンタメにふれて気づいたことのまとめ

ゲームは緊張と解放!

こんにちは、渋谷でゲームデザイナーをやっているAKIです。

 

私AKIはゲーム実況をしているのですが、話し続けるとなかなか体力を使うことに気がつきました。笑

とくにテンポのよいゲームの実況だと、しゃべりの「間」が空いてしまうと気持ち悪い。

ゲームのテンポと、しゃべりのテンポを合わせることが大事なのだと感じています。

このあたり、前回の記事「ゲームはテンポ!」にも通じる部分があるかもしれませんね。

 

さて、今回は「ゲームは緊張と解放!」というテーマ。

実は、前回の「ゲームはテンポ!」と繋がっております。

 

ゲームはフィードバック、つまりプレイヤーが何かの目標に向かって操作するという遊びです。

「ゲームはテンポ!」の例でもありましたが、ゴールに向かって走るアクションゲームでも、ゴールまでがずっと平坦な道では面白くないですよね。

やはりそこに敵キャラや、ダメージを受ける床などの「障害」があってこそ、それを乗り越える喜びがあるというものです。

 

「緊張と解放」とは、まさにこの「障害」を乗り越えて「目標」を達成する(そして「報酬」を得る)という流れをさしています。

 

前回も例に使った、スーパーマリオブラザーズを考えてみましょう。

 

マリオと言えば想像するのは、「ジャンプして敵を踏みつける」アクションですね!

このとき「敵を踏みつける」という目標に向かって「ジャンプ」という操作をするのですが、着地点を誤ると逆に敵からダメージを食らってしまいます。

 

つまり、「うまく敵を踏まなきゃ!」という「緊張」が生まれているわけです。

 

そのあと、敵を踏みつけたときに「ぽこっ」と気持ちよい音がして、敵が倒される。

この一連の流れが、まさに「緊張と解放」の流れです。

 

 

他にも、「ハテナブロックを叩いてキノコを出し、取りに行く」動き。

マリオのパワーアップアイテムである「キノコ」は進行方向に勝手に動くので、マリオはそれを「追いかける」必要があります。

 

「追いかける」ということは、ダッシュするなど普段よりも早く、操作ミスしやすいリスクのある操作が必要です。

だからこそ、「キノコ」を追いかけた先にクリボーなどの敵がいたり、奈落の穴があったりして「障害」を作り出しています。

この「障害」を乗り越えて「キノコ」をとったときのホッとする感覚は、読者の皆様も覚えがあるのではないでしょうか。

 

 

「キノコ」より嬉しいマリオのアイテムといえば、無敵状態になれる「スター」ですよね。

「スター」は「キノコ」よりもさらに取るのが難しく、バウンドしながら逃げていきます。

 

バウンドするとスターをとるためには、うまくダッシュとジャンプを使う必要があり、なおかつ予測しづらいスターの動きを読み切る必要があるため、一気にやることが増えます。

この瞬間の「緊張」の高まりといったら!

 

しかもこの「スター」をとると、一定時間無敵状態になり「敵」という「緊張」の要素がすべて触れたら倒してポイントがもらえる「報酬」に切り替わる。

このときの「解放」も、マリオブラザーズの中では最も大きい要素ですね。

 

 

これまでの例のように、「緊張と解放」は手を変え品を変えてゲームの中に現れます。この「緊張と解放」のサイクルも、「ゲームのテンポ」と捉えられますね!

 

 

実はこの「緊張と解放」という概念、ゲームだけでなくあらゆるエンタメで用いられています。

主人公の刑事が犯人を逮捕するというドラマでも、主人公の刑事が危機に陥るという「緊張」があるからこそ、その後の犯人逮捕という「目標」を達成したときに「やったぞ!」という気持ちになります。

また、いい物語は、この「緊張と解放」の波を何度も繰り返しながら、クライマックスに向けてどんどん「緊張」を高めていきます。

 

 

もっと身近な、日常生活にも「緊張と解放」はあふれています。

 

初めてのレストランで食べる料理、最初はドキドキしたけどおいしかった。

突然エラい人に呼び出されて何だろうと緊張したが、実際には大したことのない用事でホッとした。

髪型を変えてみて、友達になんと言われるか不安だったけど、似合ってるねとほめられてうれしかった。

 

それくらい「緊張と解放」は身近で、根源的な快感につながります。

 

 

あなたがお好きなあのゲーム、どんな「緊張と解放」が気持ちよいでしょう?

たまにはそんな視点からゲームを見るのも、楽しそうですね!

 

 

今日はこんなところで。

また次回の記事でお会いしましょう!

 

AKI