ゲームは緊張と解放!
こんにちは、渋谷でゲームデザイナーをやっているAKIです。
私AKIはゲーム実況をしているのですが、話し続けるとなかなか体力を使うことに気がつきました。笑
とくにテンポのよいゲームの実況だと、しゃべりの「間」が空いてしまうと気持ち悪い。
ゲームのテンポと、しゃべりのテンポを合わせることが大事なのだと感じています。
このあたり、前回の記事「ゲームはテンポ!」にも通じる部分があるかもしれませんね。
さて、今回は「ゲームは緊張と解放!」というテーマ。
実は、前回の「ゲームはテンポ!」と繋がっております。
ゲームはフィードバック、つまりプレイヤーが何かの目標に向かって操作するという遊びです。
「ゲームはテンポ!」の例でもありましたが、ゴールに向かって走るアクションゲームでも、ゴールまでがずっと平坦な道では面白くないですよね。
やはりそこに敵キャラや、ダメージを受ける床などの「障害」があってこそ、それを乗り越える喜びがあるというものです。
「緊張と解放」とは、まさにこの「障害」を乗り越えて「目標」を達成する(そして「報酬」を得る)という流れをさしています。
前回も例に使った、スーパーマリオブラザーズを考えてみましょう。
マリオと言えば想像するのは、「ジャンプして敵を踏みつける」アクションですね!
このとき「敵を踏みつける」という目標に向かって「ジャンプ」という操作をするのですが、着地点を誤ると逆に敵からダメージを食らってしまいます。
つまり、「うまく敵を踏まなきゃ!」という「緊張」が生まれているわけです。
そのあと、敵を踏みつけたときに「ぽこっ」と気持ちよい音がして、敵が倒される。
この一連の流れが、まさに「緊張と解放」の流れです。
他にも、「ハテナブロックを叩いてキノコを出し、取りに行く」動き。
マリオのパワーアップアイテムである「キノコ」は進行方向に勝手に動くので、マリオはそれを「追いかける」必要があります。
「追いかける」ということは、ダッシュするなど普段よりも早く、操作ミスしやすいリスクのある操作が必要です。
だからこそ、「キノコ」を追いかけた先にクリボーなどの敵がいたり、奈落の穴があったりして「障害」を作り出しています。
この「障害」を乗り越えて「キノコ」をとったときのホッとする感覚は、読者の皆様も覚えがあるのではないでしょうか。
「キノコ」より嬉しいマリオのアイテムといえば、無敵状態になれる「スター」ですよね。
「スター」は「キノコ」よりもさらに取るのが難しく、バウンドしながら逃げていきます。
バウンドするとスターをとるためには、うまくダッシュとジャンプを使う必要があり、なおかつ予測しづらいスターの動きを読み切る必要があるため、一気にやることが増えます。
この瞬間の「緊張」の高まりといったら!
しかもこの「スター」をとると、一定時間無敵状態になり「敵」という「緊張」の要素がすべて触れたら倒してポイントがもらえる「報酬」に切り替わる。
このときの「解放」も、マリオブラザーズの中では最も大きい要素ですね。
これまでの例のように、「緊張と解放」は手を変え品を変えてゲームの中に現れます。この「緊張と解放」のサイクルも、「ゲームのテンポ」と捉えられますね!
実はこの「緊張と解放」という概念、ゲームだけでなくあらゆるエンタメで用いられています。
主人公の刑事が犯人を逮捕するというドラマでも、主人公の刑事が危機に陥るという「緊張」があるからこそ、その後の犯人逮捕という「目標」を達成したときに「やったぞ!」という気持ちになります。
また、いい物語は、この「緊張と解放」の波を何度も繰り返しながら、クライマックスに向けてどんどん「緊張」を高めていきます。
もっと身近な、日常生活にも「緊張と解放」はあふれています。
初めてのレストランで食べる料理、最初はドキドキしたけどおいしかった。
突然エラい人に呼び出されて何だろうと緊張したが、実際には大したことのない用事でホッとした。
髪型を変えてみて、友達になんと言われるか不安だったけど、似合ってるねとほめられてうれしかった。
それくらい「緊張と解放」は身近で、根源的な快感につながります。
あなたがお好きなあのゲーム、どんな「緊張と解放」が気持ちよいでしょう?
たまにはそんな視点からゲームを見るのも、楽しそうですね!
今日はこんなところで。
また次回の記事でお会いしましょう!
AKI